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行けるなら絶対行っとけ

『DEATH STRANDING』をクリアした感想

ついに『DEATH STRANDING』(以下、デススト)をクリアしたので、鉄は熱いうちに…ってことで感想を書き殴る。

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デスストの魅力については先日の記事である程度語ったつもりなので、もしよければそちらにも目を通してもらいたい。

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※基本的にストーリーのネタバレは書かないが、そういった危険性のあるスクリーンショットもあるため、ご注意いただきたい。

やっぱりめちゃくちゃ面白い

エピソードが進むにつれて、装備や乗り物、インフラが充実してきて、やれることが増えていった。

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最初は避けて通るだけだったミュールやテロリストの縄張りも、制圧して荷物を奪取できたり、こそこそ逃げ惑うだけだったBTの巣も、貧血になりながらも殲滅して時雨を晴れさせたり、配達一辺倒だったところに小島印の「遊び」の余地が付与される。

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それでもなお根幹は変わらず、各々のプレイに幅が生まれる程度なので、ゲームバランスも維持されており、塩梅がちょうどいい。

ストーリーとゲーム性の文武両道

大前提として、ゲームとは面白くなければならない。

初めてローンチトレーラーを見たとき、少しでも小島監督を疑った自分を許してほしい。

デスストは『メタルギア』シリーズよろしく、重厚なストーリーは言わずもがな、ゲーム性についても飽きることなくずっと面白いものだった。

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ミュールたちが配達依存症になるのもよくわかる。

「ダンジョン」とか「ボス」みたいなゲームお決まりの要素はなく、プレイヤー次第で戦闘自体も必要最小限に抑えることが可能。

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ゲームプレイのほとんどが荷物を配達しているだけにもかかわらず、その「移動」に豊かなゲーム性やインタラクティブな繋がりを携え、提言通りこれまでにない全く新しい体験を届けてくれた。

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思い出深い場所

やっぱり雪山は外せないロケーションだ。

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最初は本当に過酷で大変だったが、カイラル通信が繋がってからは多少快適になりつつも、自然の猛威(寒さや急勾配、ホワイトアウトなど)で油断できない状況が続く。

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プレイヤーも慣れ始め、装備や建造物でプレイに幅が生まれてきたタイミングで、さらに緊張感の求められる環境を作り出す創造力には感動すら覚える。

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あと、印象深いという意味では、クリフとの戦闘が待ち受ける戦争のステージ。

いきなり別のゲームが始まったのかと焦るほどガラッと世界が変わる。

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配達ばかりの日々で忘れかけていたシューティング要素を取り込むことでプレイヤーも刺激されるし、何より「戦場が生きてる」感がすごすぎて、突然そこに放り込まれた僕は常にドキドキしながら歩みを進めていた。

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感心したポイント

たくさんあるけど、一つだけ挙げるとすれば「夜がないこと」である。

これは思い切った仕様だ。

昨今のオープンワールドは基本的に時間の流れがあって、昼と夜では出てくるモンスターが変わったりと、そこでプレイに多様性を持たせている。

ところが、デスストは昼しかない、つまり通常のゲームプレイ上に時間経過の概念がない

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しかし、時雨が降ってBTが現れる場面では辺り一面が真っ暗になり、プレイヤーは図らずも「夜」に似た感覚を味わうことになる。

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ここで夜が存在しない違和感を緩和され、なおかつ時間経過の概念がないことでストーリー進行に矛盾を来さないようにバランスされているのだ。

決して多いとは言えない開発スタッフ(トータル80人くらいとのこと)で、効率的にゲームを制作するという意味では素晴らしい機転だと思う。

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残念だったポイント

正直ない、本当にない。

でも、強いて一つ挙げるとすれば、「食事」がないこと。

何か食べるとしたら、やたら歯ごたえがよさそうな謎の虫くらい。

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サムにも美味しいピザを食べてほしかった。

マジでそれくらい。

クリア後の世界とやり込み要素

かつてカフカは自身の著書でこう記した、「本編の終わりはやり込みの始まりに過ぎない」と。

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まだ見ぬプレッパーズたちとの出会い、各施設との親密度アップ、国道をはじめとするインフラの整備、はたまた当てもなく世界を散策するのもいいだろう。

僕はゲームをクリアするたびにいつも思うことがあった。

「クリア後の平和になった世界を旅できたらな~」と。

デスストは、北米大陸がカイラル通信で一つに繋がって、再建された後のアメリカ(UCA)を自由に楽しむことができる。

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ミュールや時雨(BT)といった存在は依然として残っているが、それでも気持ち的には「アメリカを救った男」なので、とても清々しい気持ちでやり込める。

なお、トロコンには難易度ハードでプレミアム配送を最高評価でクリアする必要があるので、「伝説の配達人」の肩書きに慢心することなく、さらに腕を磨く必要がありそうだ。

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大丈夫、この世界はまだまだ面白くなる。

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『DEATH STRANDING』というゲームの革新性と創造性

コジマプロダクションによる『DEATH STRANDING』(以下、デススト)が11月8日に発売された。

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ファンとしては待ちに待った、小島秀夫監督の独立後最初のタイトルである。

再び『A HIDEO KOJIMA GAME』をプレイできる日が来たのだ。

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とりあえず30時間ほどプレイしたので、今の熱気をそのままお伝えしたい。

なお、僕はPS4 Proでプレイしており、スクリーンショットも全て実機で撮影したものである。

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こんなゲームを待ってた

そう言っても過言ではない。

これほどリアリティ溢れるゲームはメトロエクソダス以来だ。 

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デスストには、SFの世界観に説得力を与えるものが全て揃っている。

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発電施設を建設。

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国道を復旧。

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共に旅をする「BB」のメンテナンスシステム。

ただのエンターテインメントでは終わらせない、僕らの小島監督節は健在だった。

それを可能にしているのが、小島監督の持つ膨大な知識量だろう。

彼の著書に軽く目を通すだけでも、無尽蔵の知的好奇心に裏付けられた貪欲な姿勢を垣間見ることができる。

創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち (新潮文庫)

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 究極の「お使いゲー」

昨今のオープンワールドのゲームにおいて、避けては通れないのがいわゆる「お使い」と呼ばれる要素だ。

だだっ広いフィールドをいかに有効活用するかを考えたとき、プレイヤーをあっちこっちに右往左往させるのはもはや常識だ。

最初は新鮮なマップでも、レベルが上がったり装備が強くなれば、それが単調な「作業」になってしまうのは世の理。

ましてファストトラベルが解禁となれば、そんなもの鬱陶しくてしょうがない。

しかし、デスストは違う。

デスストがどんなゲームか一言で表現するならば、荷物を配達するゲームである。

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その姿は江戸時代の飛脚さながら。

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崖があればロープで降りる。

「それって全編お使いゲーってことじゃん」と誤解を招きかねないがそうじゃない。

デスストにおける基本的な流れとしては、「依頼を受けて荷物を届ける」という単純明快なもの。

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配達ミッションの受注画面。

そうして点と点を繋ぎ、線を描き、その線を太く強固なものにしつつ、また新たな線を描いていく。

これを地道に積み重ねることで、物理的かつ概念的に分断されてしまった北米大陸を繋ぎ直していく物語だ。

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配送センターからバイクで出動する図。

逆転の発想と再定義

重要なのは、従来のゲームにおいて「移動は手段」でしかなかったが、デスストに関しては「移動が目的」なのだ。

そして、その移動がちゃんと面白くて(これ大事)、頭が凝り固まったゲーマーとしては目から鱗で、こんな発想があったのか、と意表を突かれた。

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世界中のプレイヤーたちによって整備された国道を走る。

眼前に広がる圧倒的大自然に目を奪われながらも、足元には悪路が続き、配達を阻む敵もいれば、正体不明の「存在」まで邪魔してくる。

主人公であるサムは、背中に大量の荷物を積み、転ばないようにバランスを取りながら、敵を避けたり戦ったりしながら、特殊な雨で大事な荷物が損傷しないように気をつけながら、常に細心の注意を払って荷物を運ぶ

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測量センサーで地形と「BT」を検知する。

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正体不明の敵「BT」を避けつつ荷物を運ぶ。

他者との繋がりを体感できる「ストランド・システム」

デスストにおいて、ほかのプレイヤーを視認することはできない。

ただし、彼らの足跡や建造物は自分の世界に反映されるので、間接的に他者との繋がりを感じることができる。

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ほかのプレイヤーが乗り捨てたエヴァンゲリオン柄のバイク。

小島監督はこれを「ストランド・システム」と呼んでいるが、フロム・ソフトウェア社の代表作『ダークソウル』シリーズにこれの先駆けとなる機能がある。

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ダークソウルのメッセージ機能。

孤独で過酷な旅の中、姿の見えない"誰かたち"によって助けられているという、なんとも心温まる仕様。

そして、デスストでは他者の建造物に対して「いいね」を送ることもできる。

最近のオンラインPvPに疲弊していた僕としては、こういったポジティブな感情で世界中の人たちと繋がれることは本当に理想的で気持ちがいい。 

現実世界に戻ったとき、この「思いやり」をそのままアウトプットできる人間になりたいし、それこそが小島監督の願いだろう。

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「ストランド・システム」に必要なカイラル通信を起動している様子。

PS Plusに加入していなくても、インターネットさえ繋がっていればその恩恵を受けられるのは嬉しい。

とにかくしんどい

そして、僕が一番面白いと思ったポイントは、このゲームは本当に疲れることだ。

リアリティを追及する上で、「現実と相違ない精神的かつ肉体的な苦労を強いる」ことはとても効果的だ。

リアル志向といわれるゲームが数ある中、デスストは一つの到達点かもしれない。

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NPCとわかっていても人に出会えたときの感動はひとしお。

世界中のプレイヤーと間接的に繋がるものの、システム起動に至るまでの道のりはどうしても孤独で、それまで緊張を維持するプレイヤー自身も疲れるし、目的地に着いても帰り道があるので、手ぶらで帰るのもなんだから新たな配達を受注して、結局ずっと何かしら配達している状態になる。

やっと一通りの配達が終わって落ち着いたとき、僕もコントローラーを置いて目を閉じて深呼吸する。

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スタミナが減ってきたので一休み。

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自然の温泉に浸かってリフレッシュ。

映画とゲームの完璧な共存

そして気がつく。

没入感に優れたゲーム特有のあの感覚。

僕は主人公を操作しているのではない、主人公そのものと同化している

僕は今までの小島監督作品をプレイするたびに、「映画みたいだな~」なんてこぼしていた。

それはストーリー展開やカットシーンの演出に起因するところが多かった。

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小島監督の代表作、メタルギアソリッドVのラストシーン。

デスストはさらにその上を行く。

無心でひたすら荷物を配達する、そんな当たり前の風景さえもさながら映画のワンシーンのようだ。

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山頂の施設に到着。

映画を観ているだけでは、自分が主人公になったかのような体験は難しい。

ゲームという媒体だからこそ、それが可能になる。

まるで実際に映画をプレイしているような新しい没入感、いうなればデスストは「プレイする映画」といった感じ。

小島監督は、自身のメタルギアシリーズで確立した「映画みたいなゲーム」という枠組みを、今度は「映画とゲームの完璧な共存」という、いまだかつて誰も成し得なかった革新的なアートフォームによって上書きしてみせたのだ。

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KOJIMA IS GOD

僕は「○○は神」とすぐ口走るような妄信的なファン(信者)を軽蔑している。

しかし、少なくとも僕はこんなゲーム体験を今まで味わったことがない

万人受けするような派手さはなく、一貫して地味なゲームではある。

しかし、少なくとも僕はこんなに創造的で革新的なゲームを今まで見たことがない

小島監督のことを世界中が口を揃えて"KOJIMA IS GOD"と称賛する。

もしも、デスストを「神ゲー」と評するのならば、その生みの親は「神」と呼んで差支えないだろう。

大好きなラッパー、Candle

以前、僕には敬愛するラッパーが二人いると書いたが、一人はHAIIRO DE ROSSI、そしてもう一人がCandleさんである。

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www.maryjoy.netなお、今回は僕の個人的な想いをだらだら書き綴るだけのものなので、普段通り「さん」付けで書いていきたい。

出会い

さて、Candleさんとの出会いは7年前、僕らMajikichi Crewが初めての楽曲を公開したときだ。

このとき、色々なアーティストの方々が冷やかし半分で反応してくれた中、CandleさんはうちのMCハイソックス舐めることゼロのラップについてポジティブなコメントをくれて、そこからツイッター上でよく絡むようになった。

邂逅

ある日、僕がいつものように渋谷のレコ屋巡りをしていたところ、CandleさんからDMが届いた。

「俺もちょうど渋谷にいるから今から飲まない?」といった内容だった。

典型的なネット弁慶の僕は慌てふためいたものの、昔から大好きだったあのCandleとサシで飲めるという絶好のチャンスをものにすべく、ドキドキしながら指定された居酒屋へ足を運んだ。

店名までは覚えていないが、場所は渋谷駅近くで、こぢんまりとした古風な居酒屋で、出てくる料理もお酒もすごくおいしかった。

緊張のあまり何を話したかはっきりとは覚えていないが、今でも素敵な思い出として胸に残っている。

再会

それから数年間、一度もお会いすることなく月日は過ぎたが、2年前、たまたまお互いのタイミングも合ったことから、久しぶりに飲もうということになった。

せっかくなので、同じくCandleさんのことが大好きなゼロも呼んで、新橋の居酒屋で飲んだ。

これを皮切りに「また早く集まろう!」というムードになり、その数ヶ月後にはBOSS THE MC カフェオレことくれいじーも呼んで3回目、今年3月には4回目の会合を開いた。

twitter.com

それ以降はなかなか都合が悪く(特に僕が)、集まれない日々が続いている。

僕はCandleさんが大好き

何が言いたいかというと、Candleさんはとても気さくで優しくて面白くて人格者で「尊敬」の四文字では収まりきらないほど素晴らしい方なのである。

ずっと敬語で話していると「友達なんだからもっと楽にしてよ」と笑ってくれる。

ちなみに、僕の嫁さんに好きなラッパーを聞くと真っ先に「キャン様!!!」と答えるほど、夫婦ともに彼のラッパーとしての一面にも惚れ込んでいる。(なお、僕の嫁さんも数年前、都内のクラブでキャン様にお会いしており、とても優しくて素敵な人だった、とのこと。)

Candleさんは東京生まれヒップホップ育ちということもあり、彼の口から出てくる思い出話や業界の裏話などはとてもリアリティがあって面白い。

昔ずっとファンだったK-BOMBにクラブで声をかけたら大量のCDと虎の牙をもらったけどその虎の牙がめちゃくちゃ臭かった、というエピソードは想像できすぎて大好き。

音源

僕が初めてCandleというラッパーを認知したのは高校生の頃、当時Shing02に心酔していた僕は彼の所属レーベルでもあるMary Joy Recordingsの音源を探っていた。

そんなとき、Candleの『街角ジゴロ』というアルバムに目が留まり、それまで聞いたことのない名前だったし、RUMIも参加していたことから気になって購入した。

www.maryjoy.net

聞くや否や一気にCandleワールドに引き込まれた。

それですっかりファンになってしまい、実家に安置されている僕の宝箱ことCDラックには、今でも街角ジゴロのステッカーがデカデカと貼られている。

終始ウィットに富んでいながらも、めちゃくちゃ理屈っぽい歌詞を書くので、「この人、実際に会って話したらすごくめんどくさそう」と勝手に想像していた。

それから4年後、僕も大学生になった頃、Candleさんの2ndアルバム『月見草子』がリリースされた。

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1stアルバムの暗澹としていて偏屈な世界観からは打って変わって、すごく人間味のある温かい作品となっており、「なにこれめちゃくちゃ最高じゃん!!!」と感動したのを覚えている。

Candleさんはそこまで外仕事が盛んなラッパーではないものの、Eccyとの相性は抜群で、中でもMeisoと一緒に客演参加したこの楽曲は本当に大好き。

www.youtube.com

あと、リミックス音源だけど、このCandleさんのラップがやばすぎて、僕と嫁さんでよくモノマネしているのは本人には内緒。

関係ないけど、「真似したくなるラップ」って大事だな~と最近思う。

www.youtube.com

Candleさんには事あるごとに「早く3rdアルバム出してください」って生意気に物申してるけど、本当に楽しみにしているので、もしこれを読んでいたら今すぐ制作に取り掛かってください!(冗談です。)

終わりに

Candleさんはこの間、PS4を買ったらしく僕にオススメのゲームを聞いてきてくれた。(とりあえずそのときは『Fallout 4』を勧めた。)

そしてこの前、東京ゲームショウ2019に行くと連絡がきたので、僕が文字通り死ぬほど楽しみにしているコジマプロダクションの『DEATH STRANDING』のブースを見てくるようお願いしたら、すっかり虜になってしまったようで、今はお互い約束の日を心待ちにする同志となっている。

HAIIRO DE ROSSI然り、ヒップホップに目覚めた高校生の頃からずっと憧れ続けたラッパーと、こんな距離感で接していて本当にいいのかと申し訳なく思うほどに、今の僕は幸せ者だ。

Candleさん、近々また飲みましょう。

愚直なまでにリアルを追求したゲーム『Metro Exodus』

ネットでたまたま見かけて、プロモーションビデオに心奪われ、勢いで購入した『Metro Exodus』、想像以上に素晴らしいゲームで感想を綴らずにはいられなかったので書き殴る。。。

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『Metro Exodus』ってなんぞや

核戦争後のモスクワを舞台にしたドミトリー・グルホフスキーの小説を原作とする『Metro 2033』から続くシリーズの三作目。

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www.spike-chunsoft.co.jp

先にFalloutシリーズをプレイしている人間からすると既視感の強い設定だが、プレイすればわかるがバックグラウンドやゲームシステムなど、Falloutのそれとは全く異なる。

とはいえ、僕もMetroシリーズは本作が初めてで、事前予習もゼロの状態で臨んだがとても楽しめたし、過去作を知り尽くしていればもっと世界観に没頭できただろう、と思う。

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過去二作品は『Metro Redux』として一本に再構築されているため、そちらからプレイするのもありだ。

www.spike-chunsoft.co.jp

シングルキャンペーンはいいぞ

チュートリアル完了後、「あとはお前の自由だ!好きに生きろ!」みたいなオープンワールドゲームが跋扈する中、着実にシングルキャンペーンを貫くゲームの美しく崇高なことよ。

これは人それぞれあると思うが、『Fallout 4』みたいな膨大な自由度を誇るゲームは大味になりがちで、満喫するにも体力を使うし、そこに作業感が邪魔すると一気に飽きてしまう。

『Metro Exodus』はシングルキャンペーンと謳いつつも、決してオープンワールド要素がないわけではない。

本作はメトロと呼ばれる地下鉄エリア(過去に作品の舞台)を脱出し、オーロラ号と名付けた蒸気機関車に乗り込み、放射能汚染されていないユートピアを探し求める旅。

その旅路で、大河の流れる湿地帯、過酷な環境が襲いかかる砂漠、緑り豊かな渓谷などを通ることになるが、それぞれが小さなオープンワールドとなっており、探索や冒険の醍醐味もしっかり用意されている。

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とにもかくにも人間臭い

オーロラ号の旅路に見る人間模様はゲームとは思えないほど人間臭い。

道中、絆を深めた仲間たちと共闘したり、酒を飲んだりギターを奏でたり、そうかと思えば最愛の妻が攫われたり病に罹ったりと、非常に地に足のついたストーリー構成になっており、本当に自分がアルチョム(主人公)になったかのような没入感を味わえる。

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そして、仲間同士の会話がすごい。

マジでこれ永遠に続くんじゃないかと心配になるくらいアルチョムそっちのけでずっと話している。

一見すると容量の無駄遣いにも見えるが、これがこのゲームの持つ圧倒的人間臭さを演出している。

愚直なまでに追及されたリアル

本当にリアル、何もかもがリアル。

「グラフィックに全振りしたゲーム」なんて揶揄されたりもするが、あながち間違っておらず、実際めちゃくちゃ綺麗だ。

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これをPS4 Proや相応のスペックを有するPC、そして4Kモニターでプレイすればさぞかし綺麗だろう。

残念ながら僕はPS4 Slimなのでその点は諦めたが、それでも十分に美しい。

(ていうか、たぶん僕の目が4K未対応なので、正直そんなに違いがわからない。)

また、これはFPSゲームであるが故の宿命なのか、バンバン撃ち合うような激しいFPSゲームたちと比較されてしまい、「操作性最悪」なんてネガキャンされたりもする。

違うんだ、違うんだよ。

はっきり言って、本作の操作性に文句を言う奴は何もわかっちゃいない。

前置きのとおり、どこまでもリアルを追求しているわけで、それはアルチョムの一挙一動にも宿っている。

放射能汚染がひどい場所ではガスマスクなしでは生きられないし、インベントリだっていちいちリュックサックを下ろす動作が入るし、武器や防具も汚れれば性能が落ちるから整備しなきゃならないし、核戦争後の世紀末にそんな都合よく弾薬や素材が手に入るわけもないし。

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要するに何においてもまどろっこしい。

だが、それがいい

それこそまさしくバーチャルリアリティそのもの。

こういうゲームを待ってたんだよ。

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そして、アルチョムはチャートが切り替わる合間での語り以外は一言も話さない。

これに関しては前述のリアリティと相反するものだが、そのおかげで下手に主人公に引っ張られる感触がなく、あくまで主体はプレイヤー自身であるような感覚を与えてくれる。

仲間同士の会話の作り込みがすごい、という話をしたが、これは各ステージにも同じことが言える。

マップ構成に始まり、廃墟の佇まい、中に散らばるオブジェの数々、戦争前に人の暮らしがあった形跡などなど。

これらの恐ろしいまでの作り込みが、「核戦争後のロシア」という僕らからすれば想像でしかない世界に強烈な説得力を持たせている。

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バグとスペック

オートセーブによる弊害を進行不能バグなどと呼ぶ輩のせいであらぬ言いがかりをつけられているが、その辺は自分で上手く管理することでなんとでもなる。(実際に僕がそうだった。)

また、PS4 ProやPCじゃないとスペック不足なんて言われたりもするが、実際に僕はPS4 Slimだったけど特に問題なかったし、前述のとおりグラフィックにも満足している。

まとめ

自分の乏しい語彙力と文才ではこのゲームの素晴らしさを十二分に伝えきれないのが悔しいところ。

FPSが苦手で過去作未プレイの僕でも楽しめたのだから、誰にでも胸を張っておすすめできる。

『ニューゲーム+』という新モードも実装され、周回プレイにも一層深みが増した。

また、DLCもリリース予定(エキスパンションパス発売中)となっているため、そちらへの期待も募るばかりだ。

HAIIRO DE ROSSIの『Rappelle-toi』について

僕には敬愛するラッパーが二人いる。

その一人がHAIIRO DE ROSSI、もう一人はまたの機会に綴ろうと思う。

今回はHAIIRO DE ROSSIの6枚目のアルバム『Rappelle-toi』の感想を書き記したい。

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はじめに

公私ともにお世話になっているため本来は敬称を付すべきところ、今回は一人のリスナーとしてものを言いたく、あえて他人行儀な書きぶりとする。

全体の感想

まず、HAIIRO DE ROSSIが自身のブログで全曲解説を掲載しているので、そちらにも目を通していただきたい。

forteonlineshop.com

さて、いかにも懐古主義な物言いだが、昔のシーンにはアルバム一枚で一つの作品のようなものが多かった。

そして、そういった盤が俗にクラシックと呼ばれているような気がする。

最近はキラーチューンが数曲あればOK、といった作りに傾倒していて少し寂しい。

一方でそれは、サブスクリプションの時代の訪れを感じさせるものでもある。 

そんな中で今回のHAIIRO DE ROSSIのアルバムだが、これは完全に一枚で一つの作品だ。

シャッフル再生なんてしようものなら気持ち悪くてしょうがない。

確固たる一つのテーマについて延々と歌われているわけではないが、不思議とまとまりが強い。

そして、ラップを活かすビート、ビートを活かすラップ、その絶妙なバランスの上で成り立っている。

昔以上にアーティストが会社の商品となり、曲はリスナーにとって消耗品となった今の時代だからこそ輝くインディーズ、このアルバムからはそんな泥臭さや土埃のようなリアルを感じる。

HAIIRO DE ROSSIというラッパーが今、何と向き合い、思い、歌っているのか、まるで彼の目から見える等身大の景色を映し出すかのような一枚。

あと、HAIIRO DE ROSSI実弟が手がけたという、映画「トレインスポッティング」のワンシーンをサンプリングしたジャケットも味わい深い。

そして、CDの盤面がOrganのEP『Orange and Blue Invitation』のタイトルを彷彿とさせる配色になっているのもポイント。

ラップ

とても優しく、そして強か。

それでいて、手を差し伸べたくなるような「弱さ」も垣間見える(さらけ出している)。

今回のアルバムで改めて思ったが、HAIIRO DE ROSSIは自身の客観視にとても長けた人間だ。

「リリシスト」という言葉は好きではないけれど、聴き手にそう言わせてしまう力がある。

それはリリックだけではなく、フロウにも起因する。

これは頭の悪い表現だが、HAIIRO DE ROSSIはめちゃくちゃラップが上手い。

しかし残念なことに、HAIIRO DE ROSSIのラップの上手さは伝わりづらいところがある。

よくよく注意深く聴いてみると、拍や間の取り方なんて職人技だし、緩急のテクニックにも意表を突かれるし、「上手いな~」と唸らせるものが随所にある。

昔のフロウはすごくわかりやすかった、わかりやすい上手さだった。

アーティストの経年変化を楽しむことも音楽の醍醐味であるわけで、そういった観点でもとくと味わってほしい。

ビート

Pigeondustはいいぞ。

HAIIRO DE ROSSIとPigeondustの相性は今さら言及する必要なし。

しかし、今回のアルバムはビートが本当に生き生きしている。

Instrumental盤なんてリリースされた日には迷わず購入してしまいそうだ。

最近のアルバムではHimukiをはじめ、様々なビートメーカーと共演してきた。

それでも僕は内心、どこか物足りない気持ちを拭いきれずにいたが、それが今回すっきり解消された。

やっぱりHAIIRO DE ROSSIにはPigeondustだよね。

ご飯に味噌汁、タバコにコーヒー、ハイイロにピジョン、そんな調子。

お気に入りの楽曲

ダントツで"TAXI."、これは本当に最高。

仕事帰り聴くにはもってこいだ。

あと耳を引くのは"爆裂都市"、ビートはDJ MOTORAが手がけている。

これどうやってリリック書いたの?どうやってラップしてるの?って感じ、聴くたびにフレッシュ。

特典

公私混同しないようなことを言っておいて、やっぱりしちゃうのが僕という人間。

今回の特典は、僕の同志、M'Bomaによるリミックス音源となっており、さらにforte Online Shop初回特典には図々しくも僕まで参加している始末。

僕のラップはさておき、M'Bomaのリミックスはどれもなかなか面白い。

彼はトラップ調のビートが大好物なので今回もそういうテイストに仕上がっているが、彼も腕を上げたのか、まさに"Same Same But Different"といった具合にみんな違ってみんないい。

店舗によって収録内容が異なるので、行きつけのショップや気になるタイトルで選ぶのもいいだろう。

forteonlineshop.com

まとめ

Rappelle-toi、フランス語で「思い出せ」という意味。

ヒップホップは「今」を切り取る音楽であり、そのアウトプットに正解も不正解もない。

過去があって今があり、今があって未来がある、そんなせわしない日々の中で忘れがちな当たり前のことを「思い出せ」と言われた気がした。

このアルバムを聴いて、皆それぞれ思い出すことがあって、それに正解も不正解もない。

各々が自身の歩んできた道と照らし合わせながら、そしてこれから歩む道を照らしてくれる、そんな自由な解釈の余地を残す奥行きあるアルバムだ。

あと、7inchでアナログカットするような話もしていて、今回の楽曲はアナログでこそ聴いてみたいと思っていたのですごく楽しみ。

余談

一応、僕が参加した"AKG(MB loves MKC Mix) feat.5akkyy from.Majikichi Crew"についても触れておく。

何も知らない人はこの字面だけで混乱するだろうが、あえて説明はしない、ググれ!

僕はMajikichi Crew(略してMKC)について歌っている、もっと言えば仲間に向けて歌っている。

そういう意味では他人が聴いてもつまらないかもしれないが、昔懐かしい自分の仲間や友人との日々を思い出し、重ねながら聴いてもらえると嬉しい。

といいつつも、この楽曲が収録されているforte Online Shop初回特典はめでたくソールドアウトとなったため、すでに持っている人しか聴くことのできないレア音源(言ってみたかった)となってしまった。

forteonlineshop.com

高校生の頃、HAIIRO DE ROSSIのデビューシングルを聴いて相当やられた、あの日あの瞬間のことを今でも鮮明に覚えている。

(特典という形であれ)HAIIRO DE ROSSIと共演が果たせるとは、当時の僕は夢にすら思わなかった。

ハイイロさん、本当にありがとうございます。