Path of the Abyssのすゝめ
年末年始にPath of the Abyss(以下PotA)っていうダンジョンRPGを遊んだんだけど、ちょっとおもしろすぎたので感想をば。
今回も例によって足りない知識と足りない文才で思いの丈を書きなぐるので、読みづらいかもしれないがご容赦ください。
おれは絶対にSteamレビューを書かない男なので、ブログくらいしか吐き出す場所がないんだ。(Steamレビュー書け)
PotAはハクスラ風味のダンジョンRPGで、2024/01/15時点で早期アクセスのゲーム。
個人デベロッパーのすずきすずぞう氏が開発しており、音楽はイラストレーターでもあるhasu氏が担当している。
https://twitter.com/suzuki_suzuzou
いわゆるウィザードリィの系譜なんだけど、おれはウィザードリィ含めダンジョンRPGというジャンルに一切触れたことがなくて、でも宿屋の看板娘のデザインが妙に刺さって、800円だし軽い気持ちで買ってみた。
ゲームのあらすじはこうだ。
こういうクラシックな導入に弱い。
まずは酒場兼宿屋の『巨人の背骨亭』で仲間集めだ。
人種はヒューマン、エルフ、ドワーフ、カリンの4種類。
勉強不足でカリンだけ存じ上げないが、ダンジョン飯でいうチルチャックのポジションと勝手に解釈。
脱線するけど、おれがPotAにハマった要因のひとつに、どことなくダン飯みを感じるというのがある。
みんなダン飯を読んでくれ。あとアニメも観てくれ。まじでおもしろいから。
話を戻すと、人種ごとに先天的な強み弱みがあり、この時点でどういうパーティーを編成するかある程度のイメージが必要。
おれは平気で攻略情報をググりながらプレイするタイプなので、PotAもいろいろ調べた。
「現時点では物理スキルが強いからエルフ1ドワーフ3の構成がいい」などと書いてあった。
そんなのダン飯読者のおれが許さないので、結局それぞれの人種をひとりずつ採用。
ちなみに、このゲームはキャラの立ち絵ポートレートを自分で好きなものに置き換えることが可能。
ということで、本作の音楽を制作したhasu氏描き下ろしのエルフちゃんに早速置き換え。
そのほかのキャラもX(旧Twitter)やSteamコミュニティにて公開されている、有志によるイラストを拝借させてもらった。
さらに、『ウィザードリィ外伝 五つの試練』用にずんこ。氏が見繕ってくれたポートレート制作補助ツールを使えば、自分の好きな画像から立ち絵をトリミングできる。
しかもPotA用の規格も選べる親切設計、常識の範囲内でありがたく使わせてもらおう。
レベルの概念もあり、レベルアップで得られたポイントを割り振ってビルド構築する。
成長させるのは『アビリティ(スキル)』と『基礎パラメータ』の2種類あり、理想のステータスもしくは戦い方を目指してそれぞれ好きなように強化しよう。
パーティーもそろったところで、お次は『下水道』という名のチュートリアルステージでPotAのいろはを勉強。
ウィザードリィよろしく一人称視点でずんずん進んでいく。
オートマッピングなので自分で鉛筆片手に方眼紙を広げる必要はない。
戦闘におけるすべての行動は、4人のキャラで9枚のパネルを共有し、これをプレイヤーの采配で発動していくもの。
文字だけで説明するのは難しいので、まずは下の画像をご覧ください。
3枚のパネルが3列並んでおり、上から順に前列→中列→後列という扱いになる。
敵はこのパネルそのものを攻撃してくる仕様で、前列のパネルがより狙われやすい。
つまり、前列には攻撃に耐えられる壁役のスキルを多く配置し、打たれ弱いエルフやカリンは後列からバックアップするのが順当だ。
スキルは大別して2種類あり、『モラル』を消費する物理系の技と、『マナ』を消費する魔法系の技がある。
任意に発動するのではなく、パネルに配置するだけで効果を発揮するエンハンススキルもある。
また、スキルの中には『シナジー』という効果を持つものがあり、例えば「影響範囲のスキルを使用すると防御力アップ」などができる。
とにもかくにも、パネルの組み合わせによる戦略性の高さがおもしろくて、理想のパネル配置を試行錯誤するだけで日が暮れる。
戦闘はリアルタイムで進んでいき、ややハイスピード。
ぼーっと考えてるとあっという間に死ぬ。敵の殺意がすごい。
任意のタイミングで一時停止できるほか、敵が戦闘準備もしくは攻撃してくる1秒前に自動停止というオプションもある。
だが、このテンポのよさこそがPotAの醍醐味であり、脳汁ポイントでもある。
はっきり言って速すぎて何が起きたのかわからないこともよくあるが、後から戦闘ログで確認できるのでご安心あれ。
前述のパネル配置の試行錯誤も兼ねて、この戦闘ログには多くの冒険者がお世話になること必至。
ダンジョンで敵を倒すたびに『制圧度』と『マナ汚染度』が高まっていく。
『制圧度』が高くなると敵のアイテムドロップ率が向上する。
『マナ汚染度』が高くなると敵のドロップするアイテムの品質が向上する。
その代わり、強い敵と遭遇しやすくなったり、キャンプで休憩すると病気になる確率が上がったり、デメリットもある。
このゲームはつまるところハクスラであり、高い制圧度とマナ汚染度を維持しながらダンジョンに潜り、敵を片っ端から倒して、価値ある装備をザックザク掘るのだ。
宿屋で休息するとあらゆるステータス回復と併せて、制圧度とマナ汚染度もゼロになってしまう。
しかし、『オルドナンの神殿』で胡散臭い聖女に高いカネを払えば、制圧度とマナ汚染度を維持したまま、ほかのステータスだけ回復できる。
身も心もマナに毒された冒険者たちは、宿屋のベッドの心地よさを忘れ、虚ろな目のままダンジョンに戻るのだ。
これだけでは飽き足らず、PotAには『エンチャント』と『変異』というガチャ要素がある。
エンチャントは装備に新たな効果を付与するもの。(物理ダメージ+○○%とか)
変異はキャラ自身に新たなパッシブを付与するもの。(3本目の腕が生えて(⁈)両手武器と盾を同時に装備できるようになったとか)
『マチンの研究所』もしくはダンジョン内にランダムで現れる『マナの井戸』でそのガチャを引くことができる。
なお、リセマラ防止のため、ある程度ダンジョンに潜らないとマチンの研究所は開かない。
これまた中毒性が高く、終わりなきハクスラの道をさらに奥深いものにしている。
ダンジョン内で拾った武器や防具はその場では装備できず、一度街に戻って鑑定してもらう必要がある。
そこで登場するのが『ウォルスケン商店』である。
通常の買い物はもちろん、神殿や研究所に足繫く通うとまじで金欠になるので、ドロップアイテムの品質を向上させ、売却で金策する必要がある。
PotAはハクスラにおける「労力」と「費用」と「運」のバランスがとてもよくできているのだ。
とまあ、今まで書いたのは表面的というか、PotAを遊ぶ上での前提のような情報でしかない。
属性やら耐性やら細かい要素を書きはじめると終わりそうにないので、この辺でやめとく。
ダンジョンごとに敵の攻撃や耐性の傾向は変わり、ボスもかなり強力だ。
そのたびに死んではパネル配置を見直し、どうすれば効率的に戦えるか考える。
俗に死にゲーと呼ばれる作品と共通して、「死んだことのストレス」より「どうやったら死なないか考えるおもしろさ」が勝つ。
そして、「どうやったら死なないか」の中に前述のハクスラ要素が多分に含まれるので、どんどん沼ってしまうのだ。
早期アクセスということもあって、日に日にアプデが入り、仕様が変わっていく。
製品版リリースの際には今とはまったく違う姿になっているかもしれない。
創造主たるすずきすずぞう氏のご苦労に敬意を払いつつ、きょうもおれは虚ろな目でダンジョンに潜る。
あとhasu氏の手掛ける音楽もかっこいいので、お布施としてOSTも購入しましょう。
(すずきすずぞう氏の収益=開発費にはならないかもしれないが...)