僕は『日本語ラップ』という呼び名が大嫌いだ。
それでも普段わかりやすさのために仕方なく使っているが、ここぞというときは必ず「日本のヒップホップ」と言うようにしている。
一体いつ頃から、そしてどこ発信で生まれたものなのかわからないが、ずいぶん長いこと市民権を得た呼び名だ。
今やアーティスト自身も『日本語ラップ』を声高らかに叫んでいる。本当に悲しい。
僕がヒップホップを聴く上で最も重要視するのはビート。
1にビート、2にベース、3、4がなくて5に余談。
かの有名な「J-RAPは死んだ、俺が殺した」とは意味合いが異なるかもしれないが、ラップばかりにフォーカスするのは日本のヒップホップ文化の陳腐化、もしくは衰退をもたらすと僕は危惧している。
ていうか、なんだよ『日本語ラップ』って。めちゃくちゃダサいな。
じゃあなにか、あなたは英語ラップとか韓国語ラップって言うんですか。
そもそもヒップホップはDJありきなのにラッパーが花形みたいで気に食わない。
DJやビートメーカーにリスペクトがあれば、『日本語ラップ』に違和感を感じないわけがないのだ。
そして、この『日本語ラップ』の完全なる確立を加速させたのがフリースタイルブームである。
フリースタイルも立派なヒップホップの要素ではあるが、フリースタイルダンジョン以降のMCバトルの盛り上がり方に関しては、まさにラッパーは花形そのもので、彼らのラップに全ての目が向けられた。
そこに『日本語ラップ』の奴がやってきたわけだから、結果は火を見るより明らかだ。
もはや『日本のヒップホップ』は影を潜め、『日本語ラップ』の時代が来たのだ。
僕が好きなのはヒップホップだ、ラップではない。
ここまで恨み辛みが重なると『日本語ラップ』と言ってる人を見ると「あなたはラップが好きなんですね、ヒップホップじゃなくて」なんて思ってしまう。
めっちゃ嫌な奴。だから友達いないんだよ。
これは僕の悶々とした不満であり、他人に押しつけるものでは全くない。
だけど、なんていうか、ヒップホップが好きならヒップホップって言えばよくない?
わかるよ、人前でヒップホップって言うの恥ずかしいよね。
でも冷静に考えてみてほしい、『日本語ラップ』の方がダサくて恥ずかしいよ!